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トム・ヨークさんのリズムギター

7月にロンドンへ行って来ました。理由はatoms for peaceと言うバンドのコンサートを見るため。

その時は「すげーいいバンド。すげーいいライブだった」としか言えなかったのですが、時を経て少し自分なりに言語化出来るかなと言う気がしたので、記録します。

まず、こんなバンドです。



このバンドにおいて、まずパーカスのおじさんとドラマー、マジで仕事師。いわゆるロック的なスネア(2拍と4拍目)をいれてる曲が一曲もない。仮にこの2人のリズムを完コピしようと思っても今の俺の能力ではできない (笑) トムとナイジェルが、アフロビートからの影響を受けたと言っていた意味が最近わかりました。

ギターに関しては、一曲の中でカタルシスを得るための手法として、いわゆるロックのサビで良くある、ディストーションギターでガーンていう手法は一度も使っておらず、ギターリフ含め微妙な音色とリズムの組み合わせの変化でそれをやっている。特にライブアレンジでそれが顕著。

ギターに関してさらに言うと、普通にコードでジャーンとストローク入れる所も一曲もない。曲の最も盛り上がる部分でさえも。これって実はロック畑の人にはかなり珍しい。常に単音または複音で刻み続けるリフで、微妙に変化して行くっていう。打楽器二人だけのみならずトムヨークとナイジェルのここら辺の部分もアフロビート的アプローチと言えるかも。

そして、トムヨークのギターって音色にかなり味と言うか、トムヨークでしかない音色があって、グチャッとした感じ、イメージで言うと藁半紙の紙袋を潰した時の質感みたいな音色で、思うにこれは右手の癖が大きい。単音フレーズやアルペジオ的なフレーズでも手首から先の振りがかなり大きくて、荒目のブラッシング音と一緒に、これまた微妙に荒目の、しかし的を射ているリズム感がこの紙袋潰し感を生み出してるのではないかと思う。

しかしトムのギターフレーズのこういった傾向は、実はかなり前から出現してて、歴史を振り返ると、彼のメインのバンド、RadioheadではKID A/Amnesiacという2枚のアルバムを出した2000年頃、トムは「ロックなんてゴミ音楽じゃないか」発言と共に、一切ギターを弾かずピアノを習得し始めた。その次の、ある意味ロック回帰的とも評されるHail to the thiefで再びギ ターを手にするが、その時点で既にコードストロークはせず、単音または複音で16部とか8部のリズムを刻み、ルート音+テンション音の組み合わせを変化させて行く ギターフレーズのスタイルを確立している。(この辺の詳細は2009年当時のブログに書いた。リンク。) そしてこの傾向は、現在までに続く2枚のアルバム、In Rainbows、The King of limbsでも続いている。

In Rainbowsでは、リズムの重視の傾向と共に、アナログ楽器による音響効果のこだわりが見られた。主にトムがリズムギター、二人のギタリストが様々な楽器によってノイズ的なアプローチやポリリズミックなリズムを重ねると言った曲が多い。例えばこんな風。



続くThe King of limbsではサポートドラマーを導入し、より電子音楽ぽいリズムや音響に傾倒している。ライブでは、ドラマー二人の細かく複雑なビートの上で、ギタリスト二人はギターを使ってもはやギターではない音を出しまくり、トムはその上で奇妙なダンスを踊りまくると言う、もはやよくわからないがしかしかっこいいと言う領域に来ている。例えば下記の動画。



そして、そこからの、2013年現在、Atoms for peace。改めてもう一曲。



こうやって流れを追うと、トムが自分の感性に従って音楽的冒険と追求を自然にし続けてる事がわかるし、しかもそれが商業的に成功している。アートワークや ライブパフォーマンスやファッションや見た目の老け方含めて、めっちゃいい感じでかっこいい中年になってるよなー、と思うわけです。ユースカルチャーの音楽出身でどう歳をとって行くかみたいな、話が脇道にそれてしまいましたが、そういう意味でも魅力的。

そんなわけで、まだ言語化出来てない部分もありますが、私はAtoms for peaceと言うバンド及びトムヨークさんを非常にお慕い申し上げております。 僕も音楽的冒険したい。

(本ブログ記事は、私の友人である金川さんに私が個人的かつ一方的に送りつけた長文メールを一部加筆修正したものです。笑)
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プロフィール

rt258593

Author:rt258593
2つの場所でギター弾いてます。長野生まれ長野育ち、18歳から上京し、2011年ジャカルタ、インドネシア生活を経て2012年現在東京在中。

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ギターとトラックと映像、リアルタイムサンプリングとそのエフェクトとループによる曲構築。

画家
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各国の民族楽器(三味線、ピン、ドゥンドゥン、ジャンベ、ウィンドチャイム、ボンゴ、ティンバレス、コンガ、銅鑼、カホン、ディジュリドゥ他)と5種の管楽器、そして、ギターやベース、キーボードやドラム、更にスタイロフォンやテルミンといった電子楽器、床やタライやバケツといった音の出る器、果てはヒューマンビートボクサーすらも内包した、純然たる無国籍無秩序音響派楽団。腹には一物、胸には野望を秘めた連中が、イイ匂いのする仲間を募り、募られた仲間はまた仲間を募り、募り積もって、公園で音を鳴らし始めたところに、端を発す。性別、年齢、職業、国籍、趣味嗜好、及び楽器の経験や所持は問わず、あまりお互いのことを知らないままに、同世代の気のイイ輩が集結。演奏の技術よりも、音を鳴らすことを楽しむことを優先し、メンバーや担当楽器は流動的。

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